自治会

地縁による団体

 平成3年の地方自治法の改正で「地縁による団体」と位置づけられました。

地縁団体(自治会、町内会など)が、市町村長の認可を受けた場合、法人格を取得し、不動産登記の登記名義人となることができる制度(認可地縁団体制度)が導入されました。

地方自治法260条

第260条の2  

  1. 町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体(以下本条において「地縁による団体」という。)は、地域的な共同活動のための不動産又は不動産に関する権利等を保有するため市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
  2. 前項の認可は、地縁による団体のうち次に掲げる要件に該当するものについて、その団体の代表者が総務省令で定めるところにより行う申請に基づいて行う。
    1. その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行つていると認められること。
    2. その区域が、住民にとつて客観的に明らかなものとして定められていること。
    3. その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となつていること。
    4. 規約を定めていること。
  3. 規約には、次に掲げる事項が定められていなければならない。
    1. 目的
    2. 名称
    3. 区域
    4. 主たる事務所の所在地
    5. 構成員の資格に関する事項
    6. 代表者に関する事項
    7. 会議に関する事項
    8. 資産に関する事項

問題点

高齢化による担い手不足

自治会会員の高齢化が進み、会長や役員の担い手が不足している地域もあります。若い世代の会員が不足することで、自治会の活動も縮小せざるを得ない現状もあるでしょう。

加入するメリット?

近年ではSNSの普及で手軽に趣味や世代といった括りでつながりやすくなり、プライベートを縛られたくないなどの理由から、加入率が下がっているという自治会。
インターネット上では町内会の活動に対して「道路のゴミ拾いは行政がやればいい」「回覧板が面倒」などとの意見も出ており、「不要論」も飛び交っているといいます。
また、会員の高齢化が進んでいることで若い世代に向けた発信が難しいこともあり、そもそも自治会の存在が認識されていないケースもあるようです。

役員に負担が集中している

自治会の役員になると、どうしても活動の負担は重くなります。休日が潰れるだけでなく、平日に会合が行われる場合は、仕事との両立も難しくなってくるでしょう。
また、なにかあるとすぐに電話がかかってきたり、突然自宅を訪問されたりするようであれば、なかなか気持ちも休まらないといえます。

高齢者に合わせた古いルールのまま

会員が少ない自治会などでは、毎年決まった人が役員になる傾向があります。
特に高齢者の役員がいる場合は連絡手段が対面や電話、紙の回覧板などに偏ることが多く、デジタルネイティブと呼ばれるインターネットやIT機器に当たり前に接してきた世代からすると、面倒くさく感じる部分も多いでしょう。

メリット

災害時にお互いを助け合える

とくに災害時には警察や消防の助けが行き届かないケースも多いといいます。そのため日頃から自治会主導で避難場所の確保や防災訓練を行っておくことで、万が一の災害時にも地域住民の生存確率を上げるきっかけにもなるのではないでしょうか。自治会のなかには「災害の初期には行政に頼らず自分たちで乗り切る」をモットーに、日頃から防災意識を高めているケースもあるほどです。

日常生活の安全を確保できる

自治会を通して地域住民同士が顔見知りになっておけば、老人や子どもの見守りにつながることもあるでしょう。また、加入者同士で不審者情報を共有し合うことで、防犯意識を高めるきっかけにもなるかもしれません。

幅広い世代との交流が社会性を身につけるきっかけにも

1人暮らしの方のなかには、生活を干渉されたくないと思う方も多いかもしれません。
ただ子どもにとっては、学校以外のコミュニティで幅広い世代の大人と触れ合うことで、社会性を身につけるきっかけにもなります。家庭だけでなく地域全体で、これからの未来を担う子どもたちを育てていくことにもつながりそうです。

今後の対応

自治会も時代に合わせて変化していく必要がある

SNSの普及や活動の負担を重荷に感じる人の増加などの背景から、自治会への加入者は減少傾向にある現在。とはいえ、災害時に行政の手が行き届かない部分を補う役割や、地域全体で子どもたちを育てていけるなどの機能もあります。
そのため特に若い世代が参加しやすいように、自治会の運営方法を見直すことも検討していきましょう。